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席をつくらないように必ずチケットが余らないような形で状況を設定していく。例えばリンドバーグというバンドがあって、東京では武道館が満杯になります。でも金沢へ行くと1500のホールしかプロモーターは用意しません。そういう地域差というのはやっぱりどんなに売れているなというイメージがあるアーチストでも必ずあるんですね。やっぱりファン層というのは地域地域によって全然違うと。だから名古屋でこんなにヒットしているのに東京だと入らないとか、そういうことはあるので、多分それは札幌にも、仙台にも、秋田にも、青森にも、恐らくそれはアーチストによってあると思います。例えばラジオのDJが流れているとかいろんなその背景はあるでしょうけれども、単にCDの売り上げ枚数だけでははかり知れないアーチストパワーみたいなものは、結構コンサートプロモーターというのは押さえています。もちろんビジネスですから当たり前なんですけれども、把握をしております。そういったこともあるという意味で、アーチストは出世魚ということをちょっとお話をしようと思っておりました。
そんなことで、プロモーターが非常に地域というものを、マーケティングも含めてですけれども、このアーチストならこの地域ではどう、ここではどうということをかなりまじめに勉強をして資料もたまっていると思います。自主事業とかあるいは貸し館とか、ポピュラー公演を行う場合に、1つのよりどころといいますか、参考でも結構です、ちょっと電話をかけていただいてご相談願うと、きっと我々の会員も、単に地域の呼び屋さんではなくて、本当に皆さんと一緒になって地域の文化事業というものを考えるという人間になり得るというものは持っていると思います。ぜひとも1回そういうポピュラー関係で何か悩んでいらっしゃるとか決断がっかないというときは、ご相談いただくとよいと思います。
実は、私も8年前までは会館の事業担当をしておりまして、しくじったことがあります。千葉だったものですから、市川という本当に東京の江戸川区と川1つ境でほとんど千葉都民が住んでいるところでありました。私は住まいが東京なものですから、頭の中が東京と同じになっていたんですね。そこで、大ホールでできると思った方を勇気を出してプロダクションに直接電話をして交渉してOKをとって呼んできたのですが、売れた枚数は小ホールの枚数しか売れなかったんですね。それは1つはお客さんに上り志向というものがありまして、やっぱり東京で見たい、上り電車に乗っていくのはいいのだけれども、下り電車に乗って何か見に行くのは嫌だみたいなところが妙な部分がありまして、しくじったことがあります。そのときもああしまったなと、そのアーチストをふだんコンサートで扱っているプロモーターに相談しておけば失敗しなかったかなということで、結構自分の中で

 

 

 

 

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